私は、今回コロナ渦の厳しい状況により、オンラインレジデンスプログラムに参加することを決めました。
今日、私の他にも移動が制限されている人たちや、他の国にいる家族や恋人に会いたくても会えない人たちがいます。
私は、ある2人の友人がいます。
1人目の友人は、日本に移住したフィリピン出身の女性です。彼女は、だいたい1年に1度、故郷に帰国していました。
しかし昨年はコロナ渦の影響で帰国できませんでした。
そして、その間にフィリピンに住む彼女の父親が亡くなってしまいました。
彼女は、父親に会うために帰国したいと熱望しましたが、日本からフィリピンへの渡航はとても厳しく、帰ることができませんでした。
2人目の友人は、日本に移住しているウイグル人の女性です。
彼女の両親は、新疆ウイグル自治区におり、お互いに会うことが許されない状況にあります。
手紙や荷物のやり取りだけが許されています。
彼女は、父親がとても恋しく、会いたいと望んでいますが、いまだに会えていません。
この2人の友人は全く異なる状況で、これらを繋げることは少々困難にも思えますが、
私は1つのストーリーを作りたいと思いました。
遠くにいる家族や恋人を想い、故郷に帰りたいと思う気持ちと、
お互いの安全を願う気持ちが葛藤している点が共通していると思ったからです。
彼らの気持ちを、消えないように形として留めておきたいと思ったので、ゲームを作ることにしました。
In front of me
Game Application, 2021
Producer: Nao Usami
Music: Yusaku Arai
Translation: Evan Cutter
Supported by Arts Council Tokyo (Tokyo Metropolitan Foundation for History and Culture)